ほうじ茶と番茶

ほうじ茶と番茶はなかなか切り離せない関連性があります。

どちらも日本では有名な緑茶ですが、お茶の名前を言われても、具体的にどんなお茶なのか判断が付かない人も多いことでしょう。

ほうじ茶は、他の緑茶の仕上げ工程の最後に、200度の高温でキツネ色になるまで炒る工程を付け加えたものです。

そのため、カフェインが昇華して減少していたり、渋みの原因となるタンニンやカテキンも熱で破壊されており、口当たりがまろやかという特徴を持ちます。

ほうじ茶に用いられる茶葉は、煎茶もありますが、やはり一般的にはほうじ茶といえば、番茶を用いることが多いようです。

では、その理由はどのようなものなのでしょうか。

実は、番茶の指す意味はなかなか多岐にわたります。

今では緑茶と言えばほとんどが煎茶と呼ばれる程一般的になった煎茶よりも歴史が古いと言われますので、それだけ生活に深く根付いているお茶と言えるかもしれません。

番茶が指すひとつめのお茶は、その年一番最初に手摘みされた旬な茶葉でできたお茶、つまり一番茶の略です。

この場合、品質の高いものが多くみられます。

あるいは、一番、二番と順に採摘されたあと、三番を摘まず、秋口まで待って摘まれた茶葉で作られる秋冬番茶を指す場合もあります。

この場合の名前の由来は、遅くに摘まれることから晩茶にあると言われています。

新芽ではなく、成長した葉を使うため、タンニンが多いのが特徴で、そのため渋みが他の茶より多く、炒ってタンニンの渋みを消し、香ばしい風味をつけたすために番茶の中では特にほうじ茶にされることが多く見られます。

また、他の製造工程で大きく扁平な茶葉だけを選り分けて作ったお茶を指すこともあります。

このお茶は頭柳などとも呼ばれ、葉が硬く、渋みがあるのが特徴で、名前の由来は番外茶だと言われます。

主流から離れた番外のお茶という由来に共通するものとしては、京番茶や阿波番茶などにみられるように、その土地独自の栽培方法で、地元で消費されることを目的として作られた土着のお茶も番茶と呼ばれることがあります。

最後に典型的なのは、北海道や東北、北陸地方では番茶と言えば、ほうじ茶のことを指します。

番という言葉は、御番菜などに見られるように、日常的に用いられるもの、普段遣いのものに付けられる意味の漢字でもあり、番外茶の反対に、生活に密着した手軽な価格帯のお茶にも多く用いられたようです。

特に、地方特産の土着の番茶は、ほうじ茶に利用されることが多く、これは、同名の様々なお茶の特徴から総合的に想像できることです。

遅い時期に摘まれた日常遣いのお茶は、渋みが強く、誤魔化すために炒ってほうじ茶にされていること、そのため低価格で取り扱われ、広くお茶の間に浸透していったというわけです。

広範囲で愛用されていれば、長い歴史の中で地域性が出てくることも想像に容易いでしょう。

そう考えれば、日本のお茶の大衆文化を一番体現しているのは、ほうじ茶と番茶なのかもしれません。